ボクっ娘淫魔の巣窟 Jail Breaker ~脱獄囚~

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Jail Breaker ~脱獄囚~

「……ごめん、フニィ」

 ルークは正直に自分の気持ちを吐露した。

「僕は……キミのことが好きかもしれない。それでも……僕は人間界に帰りたい……帰りたいんだ」

「……そっか」

 フニィは、ルークから離れて背を向けた。今まで見たことがないくらいに寂しそうに、空を見上げている……

「そうだよね……もともとキミは人間界から来たんだもん。人間界に帰るのが当たり前だよね……」

 寂しそうに、本当に……今まで見たことがないくらいに。いたたまれない気持ちになってくる……

「ごめん、僕は……」

「バーカ。嘘だよ、みんなっ」

 フニィは明るく振舞うように言った。

「キミが脱走して前々から美味しそうだって、思ってたから一人占めするために嘘ついたのっ! 淫魔が本当に、人間なんて好きになると思う? なるわけないじゃん。そんなに簡単に騙されてたら、簡単に吸い尽くされちゃうよ?」

「……」

 明るく振舞うフニィ……だがルークには分かっていた。それは全て、ルークに心配を掛けまいとする、彼女の優しさなんだと……

 分かっているからこそ、反対に心が苦しくて、仕方ない。

「ほら、いつまでボクに騙されてるんだよ。“ボクもれいこくむじょー”な淫魔なんだから、早く通報されちゃうかもしんないよ」

「……」

 それでもルークは何も言えずに立ち尽くす。フニィは「仕方ないなぁ」と言いたげにため息を吐くと、歩み寄って、ぎゅっとルークを抱きしめた……

「ほら、捕まえちゃった。このままボクが淫気を出したら、君もメロメロになってそのまま淫獄行きだよ? ……ほら、早く逃げなよ」

「……ごめん、僕は……」

「バカ。言ったでしょ。これがボクの“ぽりしー”なの。キミが気持ち良くなれなかったら意味がないんだよ」

「……」

「……ずっとね、考えてた。何で、ボクは人間じゃないんだろう。人間だったら、こんなに悩まないで、好きになった人間クンとずっと一緒に暮らせるのに……ずっとその人と一緒にえっちなことしていられるのに……」

 優しく、囁きかけるように言う。
 だが反対にそれは、ルークの心を強く締め付けた。

「ごめん……僕は……僕は………」

「だから、いいんだって。これだって、キミを惑わす為の嘘なんだから……」

「……」

「……最後に“ひーりんぐ”したげるね。ボクの誘惑に勝ったんだから、他の淫魔に絶対負けちゃダメだよ」

「あ……」

 フニィの体から心地良い気が流れ込んでくる。温かくって、優しくって、それでいて切ない……そんな気だった。

「えへへっ……人間界でも元気でね。ボクはずっと、キミの味方だから。どんなことがあっても、何があっても、だから……ボクのこと、忘れないで」

「……ああ。忘れない」

 忘れられるものか。

「キミに出会えて、良かった……だから、キミも……ボクに会えて良かったって思って欲しかった……」

「思ってるに決まってるだろ」

「えへへっ……そう? 嬉しいな……」



 しばらく経って“ひーりんぐ”は終わった。

 フニィは顔をこちらに向けずに走って去っていった……



 淫魔は、去った。

 もうここにいる必要はない。ヒーリングのお陰で体も軽い。早く封魔石を手に入れて、人間界に戻らなくてはならない。

 だから、急がなくてはいけない。
 淫魔は憎むべき敵……
 だから気にしなくて良いんだ。こんなところで、いつまでも締め付けられている必要はないんだ。

 それなのに。

 それなのに、なぜだろう……


 涙がとまらなかった……




-THE END-

二次創作もの Jail BreakerCOMMENT(0)

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