ボクっ娘淫魔の巣窟 ジョルジュ三度

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ジョルジュ三度

 夢を見ているのだろう。
 いつまでも覚めない淫らな夢を。

 気が付くと、俺は見覚えのない塔の前にいた。
 雲の上まで届くほどの高い塔。その前の看板にはこう書いてあった。

 俺は、間もなく死ぬ。
 なぜなら、1人の魔女が俺の魂を奪おうとしているから、だそうだ。

 死にたくないならゲームをしろと、使者が言った。
 出口は魔女の部屋にある。そこから出れば俺の勝ち、この世界からはおさらばだ。
 だが魔女が出す障害がある。
 
 それは女の子との、セックスだった。

 ただのセックスじゃない。俺と女のどちらが早く相手をイカせるかを競う。
 セックスバトルで勝ち続けることが、俺の脱出の条件だった。

 もし俺が女の子に負ければ、永遠に塔から出ることは出来ない。
 セックスの快楽に囚われたまま、ずっと相手の女に精を注ぎ続けることになる。

 そんなのはまっぴらだ。  
 俺は塔の中を進み、戦い続けることを決めた。


 元の世界に戻る為ならどんな困難にも挑む。
 そう思っていたのだが――

「何で、大樹海なんだよ―――――ッ!!」

 俺の叫びは「だよーだよーだよー」と、森の中に響いて消えていった……
 今直面している問題は「樹海が広がりすぎて、女の子が見つからない」こと。 ハッキリ言って見つけるのも面倒くさいし、歩いても歩いても果てがない。

「はぁ……」
 何か疲れてきた。本来夢の中で疲れるということはないはずだが、考えてみると、この世界に来てからあまり心休まった覚えがなかった。

 この世界の女性たちはみな一癖も二癖もある変人揃いだし、可愛いところはあっても気を許せばすぐに敗北ルートだ。俺は二度と現実に戻れなくなる。だから俺には気を許す相手はいないし、誰かに愚痴を言ったり、バカなことを言って落ち着ける時間もない。

「……せめて愚痴の一つでも言える仲間でも出来ねえかな」
 俺がふと、そんなことを呟いた時のことだった。

「――や、やめてよっ! ちょっとっ!」
 森の奥の方から声が聞こえ、 俺は足音を忍ばせて森の奥へ進んだ。
 林の隙間から向こうを 覗き込む。

「や、やめてったらっ! ボクに近付かないでっ!」
 そこには、大木の影に追い詰められる少年がいた。
 まるでナポレオンとか、フランス公爵とかそんな 感じの衣装を着ている。

「……いいじゃないの。ゆっくり楽しみましょ」
「なんなら、ずっとここにいてもいいのよ」
「ねえ? うふふっ……」
 少年を追い詰める三人の女性たちは皆同じ――本当に三つ子のように変わりなく、長い黒髪に整った顔立ち、ピシッと着こなされたビジネススーツ姿の美女だ。
 俺はそいつらに見覚えがあった。

(OLだ……)
 オフィス・レディの略称ってか、この塔で俺が二番目に戦った相手だ。随分前に戦った相手だから、多分今なら楽勝で勝てる程度の相手――だが今はあの少年がOLに襲われてるのか?
 と言うことは――

(俺以外にもセックスバトルに参加させられてる人がいたのかッ!?)
 確かに誰にも、「俺以外ゲームに参加している奴はいない」とは言われていないが――いや、今はそれよりも――

「こ、来ないでッ!来ないでよッ!」
 少年は涙声で助けを訴え、体も震わせている。
 OLたちは怯え、戸惑う少年の姿を見て、楽しんでいるようだったが、じりじりと間合いを詰め始める。しかも服や下着まで脱ぎ捨て始めている。このままでは少年は襲われてしまうだろう。

 ――助けなきゃ、漢じゃないよな。

 俺は咄嗟に駆け出していた。

「――えっ!?」「何っ!?」「あ、アンタ――っ!」
 がさがさと茂みをかき分ける音で気付き、OLたちは俺の姿を確認して身構えようとした。だが遅い!俺はすぐに三人のOLの前に回りこむと、両手に一気に力を込めて――

「はあああああ……あたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたっ!」
 猛烈な勢いで、三人の全身を愛撫し始める!
『揉手百列拳』――俺が以前、開発した複数相手用の必殺技だ。
 尻や胸、体を一瞬にして性感マッサージを施していく! その間に炸裂した「OL」たちからは、悶え喘ぐ声が何度も聞こえてきた。

 全ての攻撃を終え、俺は息を吐いた。
 食らったOL達はしばらく呆然としていたが――

「…………お前達はすでにイッている」
 俺がそう呟くと――3人はパタリパタリと倒れた。まるで幽霊が成仏するシーンみたいに、光の粒子となって、空へと消えていく。絶頂を迎えたんだ。

 ないと・めあが作り出した女性達は本当の人間じゃない。
 イカせることによって、みんなこんな風に消滅していくんだ。可哀想と思うことなかれ、彼女等は死にはしないし、しかも大量生産品のように増えている。同情など全く必要ない。
 ……まぁ、今はどうでもいいのだが。

 それにしても、あまりにあっけないな。
 てっきり、この階での俺の相手だと思ったのだが……普通、上の階に行けば行くほど敵がパワーアップするはずのこの塔で、こんなにあっけなく片付くとは思えないのだが……
 俺が少し感慨に耽っていると――

「――あ、あの……」
 少年がハキハキと話し掛けてきた。サラサラの銀髪のショートヘアをした童顔の美少年――可愛らしすぎて女の子に間違われる方が多いかもしれないな。羽帽子を被り、フランスの貴族の様な格好が良く似合っている。ただ――

「――ホントーにありがとうございましたっ! お陰で助かりました!」
「どういたしまして」
 少年はにっこりと笑っていた。 すごく明るいひまわりのような笑顔は、おそらく老若男女問わず人気者になれるだろう。 それにしても――

「驚いたな、俺以外にゲームをさせられてる奴がいるなんて」
「え?」
 ポカンっと聞き返してくる少年に、俺は言った。
「君もいきなりここに連れてこられたんだろ? いきなりゲームしろとか言われてさ」

「あ~っ……ウン。まあ、そうなるかな」
 多少歯切れは悪かったが、確かに肯定する少年。
 やっぱりそうか。ということは……さっきのOL3人は、俺の相手ではなくて、この少年の相手だったんだろうか。それなら、相手が弱かったことも納得できる。けれど――

「……大変だったろー? ここまで来るの」
 セックスバトルは基本的に1対1、それから中ボス扱いで3人、 それにボス扱いということで10人相手に戦うことになる。 こんなウブそうな子がOL3人までかなり着くには、相当の苦労があっただろう、と思ったのだが――

「ううん。ボク、ここが初ステージだから」
「……マジで?」
 だとしたら、かなりの難易度だ。
 もしかして「ないとめあ」の奴、この子が好みだとかで、 やられ易いように最初から高ステージに送り込んだのか……ありえない話ではなさそうだが。

「そ、それで、あのさ……」
 少年は何か言いにくそうにしていたが、まぁ、何となく何が言いたいのかは察しは付いた。せっかく出会えた仲間なのだし――

「一緒に行くか?」「へっ?」
 呆けたような声を出す少年に苦笑しつつ。
「君一人残して行くと心配だし。君、結構女の子にモテるだろ?」

「そ、そんなことッ……!」
 少年は顔を赤くして、慌てふためいていた。何だか、本当に可愛い奴だな。ちょこまか動いているのを見ているだけで頬が上がってしまう。

「ま、一人より二人だ。一緒に行こうぜ」
 俺は笑って手を差し伸ばすと、少年はしばらく迷っていた様だったが――

「ウンっ、ヨロシクっ♪」
 ニッコリと笑って、手を握り返した。

◆ ◆ ◆

 少年は「ジョルジュ」と名乗った。
 外国人でも言葉が通じるのは夢の中だからだろう。
 フランスの名家の生まれらしく、何度も「自分の家は名家」だと熱く語られたのだが、フランス革命がどうとか、ジャンヌ・ダルクがどうとか歴史の講義っぽかったので割愛。

 あと俺もこの塔に来てから結構鬱憤が溜まっていたらしい。
 ジョルジュ相手に色々と愚痴ったり、今までの苦労話をぶちまけると、ジョルジュには何でも真面目に聞いてくれた。しかも話を聞いている時もまるで尻尾を降る子犬みたいに可愛かった。お陰で移動してる時間もかなり楽しかったのだが――

「……はじめてのケースだなぁ」 
 俺達はまだ樹海にいた。普通なら敵を倒すとすぐに別のステージに移動できるはずだが今回はどこまで行っても出口が見えない。目の前に広がるのは樹海のみ。体調が心配になって背後のジョルジュに声を掛けてみるが――

「ウンっ! ボクは大丈夫だよッ♪」
 ジョルジュはすごく嬉しそうに、ニコニコ笑っていた。
 楽しそうだな、と尋ねると「だって、楽しいよ?」と来たものだ。

「だってキミの話面白いもんっ♪」
 曇りなき眼で真っ直ぐ見つめながら、ジョルジュは照れ臭そうに言った。
「ボク、今まで気兼ねなく話せる人っていなかったから……なんて言えばいいのかな、ホッとするんだよね。えへへ♪」

「……そっか」
 まぁ人それぞれ事情があるんだろうが、案外苦労してきたのかもしれない。
「……ま、こんな所で会ったのも何かの縁だ。助け合っていこうぜ」

「ウンっ♪」
 嬉しそうに笑うジョルジュ。本当に可愛い奴だ。

「……ってあれ?」
 ふとジョルジュが右の茂みを凝視して言った。

「どうした?」
「ん。何か、風の感じが違うなーって」

 …………またか?

「なぜ分かる?」
「ま、貴族の嗜みかな」
「……どんな嗜みだよ」

 俺は溜息を吐いた。
 コイツの「貴族の嗜み」が良く分からない。今まで聞かせられたのは、まず火の付け方と、木に貯えられた水の取り方。それに野草や茸の食える食えないの識別の仕方。野宿の寝床の作り方……って、どう考えてもサバイバル技術じゃねえか。

 ひょっとしてコイツ、貴族は貴族でも没落してて、色々と苦労しているんじゃ……?
 だからサバイバルをして、生き抜いてきたとか……
 一瞬、ダンボール暮らしをしているジョルジュを想像して、悲しくなった。だとしたら、不憫すぎる。こんなところに閉じ込められて。 このままでは人生イイコトなしじゃないか。

 ……何があっても、こいつだけは助けよう。俺はこっそりとそんなことを心に決めた。

「ちょっと、見てくるね!」
 ジョルジュは楽しそうに走り出していた。

「おいおい、危ないぞ!」
「大丈夫だよぉっ♪ ホラ、キミも早く早くッ!」
 まったく、何が楽しいのやら。俺も追い掛けるように走り出した。何だか子守りをしている様な気分だけど、悪い気はしない。それどころか楽しいし、コイツと 出会えて良かったとも思える。

 女の子ならもっと良かったのに、と考えようとして首を振った。
 そうだったら、俺は完全に負けてしまうじゃないか。

(――っ!?)
 そう思って前方を確認した時――走るジョルジュの前に、崖が広がっているのが見えた。 茂みに隠れて見えてなかったんだ! ジョルジュの奴、前を見ていない!

「バカ待てッ!とまれ―――――ッッ!」
「――えっ?」
 ジョルジュが気付いた時には――すでにその右足は空を踏みしめようとしていた。
 足をすべらせ、そのまま下に落ちようとしているジョルジュ。

 俺は咄嗟に右手を伸ばし、走り込んだ。
  その細い腕を間一髪掴み取ってから、どうにかジョルジュの体を抱き込み、もう片手で隣にあった木の幹を掴んだ! 下には高層ビル並みの崖――ずっと下には川が流れていた!

「だああああああああああああああああああああッ!」  
 俺は力ずくで、ジョルジュの体を引っ張り上げた。

◆ ◆ ◆

「はあ……はあ……はあ……」
 俺はジョルジュを抱いたまま、崖の上にぺたりと座り込んだ。本当に心臓が止まるかと思った。
「バカ野郎ッ……前見ろよッ!危ないだろッ!」
「ご、ごめん……」
 恐怖とかじゃなくて、俺に怒られたのが怖いのか、謝罪するジョルジュ。もうすぐ自分が死ぬかもしれなかったのに、何も感じてないのか! 文句言ってやろうと、ジョルジュの顔を見たが――

 ……ドキッ。
 俺の胸は、高鳴った。

 しょんぼりするジョルジュ。すぐ近くで見る姿はまるで可愛らしい女の子だ。 しかも密着する細い体からは果物の様な良い匂いがする……

 ――って何考えてるんだッ! 相手は男だろうがッ!?
 俺はすぐにジョルジュから離れた。内心の動揺を隠すように平静を装って言う。

「まあ……分かればいいんだ。分かれば……痛ッ」
「ど、どうしたの……ッ!?」

 見ると、俺の左手の人差し指に切り傷が出来ていた。どうやら木を掴んだ時に皮か何かで切ってしまったらしい。黒ずんだ血がゆっくりと流れ出始めている。

「あ~あ……切っちまったか……」
「ちょ、ちょっと見せて!」
「あ?」

 ジョルジュが俺の人差し指に顔を近づけて、心配そうに見つめていた、と思ったら――

 ――ちゅっ。

「っ!?」
 ジョルジュはいきなり俺の人差し指を口に含んだ。
 そこからまるで愛撫の様にゆっくりと、柔らかく舐めていく。

 ちゅぱ……ちゅちゅっちゅっ…ちゅぱっ

 ……き、気持ち良い……
 それは時折感じる傷の痛みと共に快楽の調和を生み出していった。もしそれが俺のペニスに行なわれたら、一分も持たないかもしれない。

 ――って馬鹿ッ! コイツは男だぞッ!
 思いっきり頭を振って、空想を振り払った。

「な、何してんだよ!」
「……傷には人の唾が効くって言うから」

 俺が怒鳴ると、しゅんっとした表情で言うジョルジュ。まるで怒られた時の可愛らしい子犬の様で、余計ドキッとしてしまい声が荒くなる。

「だったら、俺がするよ!」
「だ、だって……ボクのせいだもん!」
 しゅんっとした表情……ううっ、そんな可愛い顔するな!
 変なものに目覚めちまいそうじゃねえか!

「だ、大丈夫……?」
 ジョルジュが心配そうに覗き込んでくる。
 どちらかと言えば、俺にまだ怒ってるかが気になってるみたいだ……

 ――ドキッ。

「な、何でもない……大丈夫だッ!」
 本当、どうかしてるぜ。俺は小さく溜息を吐いた。

★ ★ ★

「……真暗になっちゃったね」
 ジョルジュが夜空を見上げながら言った。
 あれから数時間探したが結局出口を見つけられず、俺達は、森の比較的開けた場所で 野宿することになった。
 薪や火はジョルジュのお陰で難なく集められたし、あとなぜか森の木に掛けられていた二枚の毛布も発見した。多分、掃除娘か誰かが届けてくれたのだろう。

 俺は焚火に薪を足しながら、これからのことを考えていたが――

「……ね、ねえ」
 ジョルジュはおそるおそる尋ねてきた。「まだ、怒ってる?」
「あ、い、いや……もう、怒ってないよ」
「本当?」
 ジョルジュは顔を近づけて覗き込んでくる。近距離から覗き込まれたらまたドキドキが!
 俺はどうにか内心の動揺を悟られないように――
「ほ、本当だ。……ただもう、あんな真似はやめてくれ」
「は~い♪」

 ジョルジュは満面の笑みを浮かべていた。どうやら俺が怒っていないということが嬉しかったらしい。まぁお陰で俺も、ジョルジュとの 間のギクシャクが多少和らいだのだが――

「ところでさ、何を考えてたの?」
 ジョルジュがふと尋ねる。お前が女の子っぽくてドキドキしてましたなんて言えるワケない。
「い、いや、何で出口がないんだろうってさ」

 この部屋の相手――「OL」三人はもうすでに倒してる。
 なのになぜ、先に進めないのか。

「……ひょっとして、まだボス倒してなかったりして」
 ジョルジュがボソリと言う。俺が視線を送ると慌てたように――
「あ、え、えっとね……本当のボスが他にいてさ、さっきの「OL」さんはただここのボスさんと知り合いとか何かで遊びに来ただけとか、そんなノリなんじゃないかなー、なんて」

「……じゃあ、本当のボスはまだどこかに潜んでるかもしれないって訳?」
「う、うん。……だと思うよ?」

 ……まあ、有り得ない訳じゃない。今日は寝込みを襲われないように気をつけなくちゃな。俺がそんなことを思っていると――

「――あ、あのさ」
 ジョルジュが少し遠慮がちに尋ねてきた。
「ちょっとキミに聞いてみたいことがあるんだけど、いい?」

「ん?」
 ジョルジュは、すごく恥ずかしそうに顔を赤らめてうつむきながら――
「今まで、キミは……その、色んな女の人と、エッチして来たんだよね?」
「……まあね」今更嘘を言っても仕方がない。

「もしさ、ここにキミのことが本当に好きな女の子が現れたり、キミが本当に好きになった人が出来ちゃったら……それでも帰る? ここでずっと一緒に暮らしたいって思わない?」

「……………」
 確かにそれも一つの幸せだろう。俺も何度も誘惑に囚われそうになったことはあるが――
「……でも、俺は現実に戻りたいと思ってる」
 そうだ。その気持ちは本当だ。どんなに気持ち良くて帰りたくなくなっても夢は夢だ。いつか覚める。覚めた時に何もないのが一番怖い。
「……でも正直自信はない。もし本当に好きな人が出来たら、考えちゃうかもしれないし」
「……そっか」

 ジョルジュは満足そうに頷いた。何か思うところでもあるんだろうか。
 気のせいだと思うが――俺に好きな人が出来たら考えるかもしれないって言った時、ジョルジュはほんの少しだけ声が嬉しそうに見えた。

 ……気のせいだと思うけど。

 しばらくして、交代に見張りをしながら寝ることになった。
 最初は俺が見張ると言ったのだが、ジョルジュが昼間のお詫びをしたいと言い出したのだ。落ち葉を敷き詰めて毛布に包まっていても結構冷えるが、寝られない程ではない。

 何にしても、ジョルジュと会えたのはラッキーだった。
 今までは1人だったが、これからはジョルジュと協力して戦うことが出来る。 だがこの戦いにジョルジュってあまり向いているって感じもしないし、こんな純情そうな子をあまり参加させたくないという気持ちもある。足手まといになる可能性も高い。

(でもま、仲間ができたっていうのは案外心強いもんだよな……)

 一人じゃない。仲間がいる。それだけで今日はゆっくり眠れそうだ……
 まぁ、夢の中で眠ることになるとは、思わなかったが。

 ……

 ……Z……

 ……Z…ZZ……

 ………ZZZ………

 …………………………

♥ ♥ ♥

 ――ぎゅっ♥
 ふわっとした甘いフルーツの様な香りがしたと思ったら、急に暖かくなった。
 人肌の様な温もりが伝わり、まるで誰かに抱き締められてるみたいだ……

 ……暖かい。とても暖かくて、気持ち良い。
 ああ。いいな……こういうの……
 まるで包み込まれている様な快感が疲れた俺の体を癒していく。
 感じる温かさが俺の心と体を癒し、蕩けさせていく様な錯覚を感じてしまう……
 気持ちよくて、このままずっと眠ってしまいそうだ……

 ――クスクス。
 耳元に聞こえてくる、女の子の忍び笑い。
 俺がはじめて違和を感じた直後だった。

 ちゅっ。

 「――ッ!?」

 唇に触れる柔らかい感触。
 俺は目を見開くと、そこには俺の唇と自分の唇を重ねる女の子の姿があった。
「んっ……んんっ……」
 少女は、まるで最愛の恋人にキスしている様にゆっくりと舌を入れてくる……
 切なそうに喉を鳴らし、俺の舌にちゅっちゅと誘い掛け……
 甘い唾液と柔らかい舌の感触が蜜液の様にゆっくりと溶け込んでくる……

(ああ…いい……………………………………………………………………――ってッ!)

 俺はようやく我に返り、少女の両肩を握って押し離した。
 少女は体重が軽く、俺の手の力だけでもほんの少し間が出来る。

 少女は最初驚いた顔をしていたが、すぐにクスリと妖艶な笑みを浮かべて、ぷるるんとした唇を「ちろっ」と舌なめずりした。可愛らしい童顔に、ゾクッとする程の女の色香が漂っている。

「……えへへっ、ゴメンね♪  キミの寝顔が可愛いもんだからついキスしちゃった♥」

 悪びれた様子もなく、舌を出して謝る少女。この娘がこのステージのボスかッ!?
 ……ジョルジュはッ!? アイツは見張りをしていたはずッ!?

「――おい、俺の仲間はッ!? ジョルジュはどうしたッ!?」

 少女は最初キョトンとしていたが、すぐに笑みを浮かべた。
 今までの妖艶な笑みではなく、親しげな笑み――

「まだ気付かないかな? ボクだよ、ボク」

 えっ……?

 俺はふと違和を感じ、少女を見た。
 銀髪のショートカットと目のクリクリっとした可愛らしい童顔、身に付けている男物のYシャツ。

「――ジョ、ジョルジュ……ッ!?お、お前……ジョルジュかッ!?」
「当ったり~~♪ やっと気付いてくれたね♪」
 ジョルジュはにっこりと笑った。

「お、お前……何やってるんだよッ!?」
「いやぁ。寒いからくっついて眠った方が暖かいかなって」

「だ、だからって何すんだッ!お、俺にそんな趣味はないぞ!」
「どんな趣味?」
「だ、だから、そんな、男同士のアブノーマルな関係に――」

「ボク、男じゃないよ」

「え……?」

 ジョルジュはそう言うと、Yシャツのボタンを上から順に外していった。白い瑞々しい肌が明らかとなり、胸には何重にもサラシが巻かれている。彼女はサラサラサラと、サラシを解いていくと、その中に隠されていたぽよんっとしたおっぱいが明らかになった。

「さらし。ずっとキツかったんだよね」

 ぺロッと舌を出して、ジョルジュが言う。
 今まで隠されて来た巨乳が明かとなり、柔らかなおっぱいが俺の目の前で揺れていた。俺には不思議で堪らなかった。サラシを巻いた程度でこれが隠せたのだろう。いや、これはつまり――

 ジョルジュは、女?

「それじゃあ……この階の敵って……」
「そ。ボ・ク・だ・よ♪」

 ……………

 ……………

 ……………って何っ!?

「ちょっと待てッ!じゃあ、何でお前「OL」に……っ!?」
「あれは前からレズプレイしようって迫られててさ。ボク、ノーマルだし」

「なら何で黙ってたんだよっ!? すぐ戦おうとすれば出来たじゃねえかッ!」

「えへへっ。ごめんね~♪ だってキミと一緒にいる時間が楽しいんだもん。あ。悪気はないんだよ? キミが一人で盛上がっちゃったもんだから、つい言いそびれちゃって……」

 ジョルジュは舌を出して、無邪気ないたずらっ子のように謝ってきた。
 ……確かに舞い上がっていたと言えば、舞い上がっていたかもしれない。
 ジョルジュはクスクス笑っていた。

「でも、助けてくれた時、ホントに恰好良かったよ? ……まるで本当の騎士みたいだった。
 ――ま、必殺技がおっぱいを触る技なのが微妙だったけどね♪」

「あ、あのなぁ……」
 俺が文句の一つでも言おうとすると――

「……でも、恰好良かったよ」

「え」

 ジョルジュは優しく抱き着いてきた。
 細い腕が俺の首に回され、彼女の豊満なおっぱいが自分の胸に押し付けられる。
 フルーツの様な芳香と、柔らかい双乳の感触が伝わってくる。

 突然の抱き着かれて、頭が真白になってしまった。
 ジョルジュは耳元で、囁き始める。

「……………ずっと、ここにいて。ボクとずっとここで暮らそ? ボク、いっぱいサービスするし、ずっと側にいるからさ。ねっ?」

「……えっ、い、いやそれは……」
「お願い」

 ジョルジュは真摯に語り掛けてくる。
 今までにない位に真剣な言葉だった。
 そして――


「ボク……キミのこと、好きになったみたいなんだ……」


「……えっ?」
 俺が聞き返すと、ジョルジュは小さく語り始めた。

「少しの間だけど……ボク、キミといて、楽しかった。楽しかったんだ……だからボク、キミともっと一緒にいたい……キミともっともっと一緒にいたいんだ……」

 どこか甘酸っぱい感情が、俺の心に染み込んでくる。何とはなしに心が温かくて、締め付けられる。ジョルジュは顔をあげて、大きな瞳が潤せて言った。

「お願い……キミのこと、一人占めにさせて……」

 ジョルジュは、ゆっくりと俺の唇にくちづけてきた。
 テクニック自体は大したことない。だが、瑞々しさいっぱいのジョルジュのキスは、俺を少しずつ蕩けさせていく……このまま、されるがままに受け入れていいのかもしれない…… そんな考えすら、頭を掠める。

 ――って、ダメだダメだッ! ぼんやりしている場合じゃない。
 セックスバトルはもう始まってるんだ! 俺はジョルジュの胸を横から揉み始めた。

「あ……ッ」
 ジョルジュが悩ましげな声をあげ、上体をそらした。
 俺はチャンスとばかりに両手でふくよかな両胸を同時に揉みしだき、中央の突起を人差し指で弄ぶ……!

「あん……いい。いいよぉ……」
 柔らかいマシュマロの様な美巨乳は俺の手を優しく迎え入れ、いつまでも揉んでいたいという願望に駆られてしまう……

「もっと、もっと揉んでぇ……」
 かなり効いている様だ。俺のもみしだく力もどんどん大きくなっていく。 だがジョルジュの精力値は半端ではなかった。いくら揉みしだいても絶頂に達してくれない。俺はどんどん、どんどんおっぱいを揉むことに集中していった……
 しかし――

「……………っ」
 先に俺の手の方が疲労してきた。手を伸ばし続けた姿勢と、何度揉んでも弾力を失わず、揉むように誘惑してくる禁断の果実を前に、俺の手は徐々に握力を失っていく……

 ――クス……
 ジョルジュは妖艶に微笑み、後ろに身を引いた。
 突然のことに俺は反応しきれない!?

 直後、彼女は俺の上でくるりと体を反転させた!
 ジョルジュの丸い小さなお尻が目前に置かれる……!

 おっぱいを求めて前に出した俺の両手は、彼女のふとももと細い足によって抑え付けられ、地に張り付けられた……! 揉みしだきで疲労していた俺の両手は完全に力負けしてしまった!

「ふふっ、おっぱいオードブルは美味しかったかな♥」
 可愛らしい桃が俺の目の前で誘い掛けるようにぷりぷりっと揺れる。しっとりとにじんだオンナが俺の目の前に迫り、俺の顔は彼女に覆い隠される。
「もぉ♥ おっぱいばっかりモミモミしてぇ……おバカさん♪ ボクのおっぱいはぁ、大好きな男の人を篭絡する貴族の嗜みなんだからっ♥」

 ジョルジュはすでに俺の毛布を取って――俺のパンツまで降ろしていた。俺のオトコはすでに直立不動の体勢を取っている。ジョルジュが俺のオトコにそっと触れた。

「あはっ♪ 堅ぁい♥ 熱ぅい♥ 待ってて、今気持ち良くするからね♥」

 ジョルジュのしなやかな手が、俺のオトコに触れてきた。
 やわり、やわりと、ゆっくり優しく擦ってくる。

 目前から濃厚なオンナの香りが俺の鼻を刺激し、女のフェロモンが体を熱くする!
 俺の若いオトコはすぐにいきり立った。

「うふふっ。こんなに腫らしちゃって……可愛い♥」
「うぁ……!」
 ジョルジュは弾む様に告げると、ペロリと俺のオトコを舐めてきた。
 2回、3回とペロリペロリと、まるでソフトクリームを少しずつ食べる様に優しく刺激を与え、小動物を愛撫する様に優しく擦ってくる……

「あ。透明なのが出て来たぁ……全部吸い取ってあげるねえ……♥」
「ぅあ……」
 ジョルジュが俺のオトコを口で深く咥え込んだ。
 ねっとりとした舌の愛撫が、俺自身を蕩けさせていく……

 時折、早く出してと言わんばかりに、ちゅうちゅうと吸い付いてくる……

 愛撫は激しさを増し、まるでディープキスをするかのごとく、俺の股間に舌を絡ませ、嫌が上にも、射精感が高まってくる……!

「気持ちいい? ボクの貴族のたしなみは♥ えへへっ♥」
「う、ぁあ……!」
 甘い声を出しながら、指先で俺の股間をすーっと撫でて行った。
 それが余計にむず痒さと射精感を増幅させて行く……! 喜び、弾む声を上げながらジョルジュは、更に強く吸い付いてくる……!

「うふふっ、可愛いっ♪
 いいよぉ♥ もっとぉ可愛い声で鳴いて♥ いいんだよぉ、すぐ出しちゃって♥」

 ジョルジュは「あ」と何かに気付いた様に笑った。

「それともこっちがいいかな♪」

 むにゅ♥ むにゅ♥

「……あ……ああ……あああああッ!!」
 柔らかいマシュマロの感触が俺のオトコをふんわりと包み込み、
 熱く勃起した俺に冷たい乳肉がねっとりと吸い付いてくる……!

 いきり立った俺のオトコを、ジョルジュは巨乳の深い谷間に包み込んだのだ! すぐにでも射精しそうになるのを懸命に堪える……!

「えへへっ♥ やっぱり、キミはおっぱいの方が気持ちいいんだぁ♥  もっともっとおっぱいでいじめてほしいんだね?」

 ジョルジュはいたずらっぽい笑みを浮かべ、たわわな果実をむにゅむにゅと揉み寄せた!
 乳肉の狭間で絶え間ない快楽が送り込まれてくる……!

「ぅああ……!」

 ――気持ち良いなんてもんじゃない!
 右から、左から、時には両方から。俺の心を蕩けさせていく。

「あはっ♥ やっぱり気持ち良いんだ♥
 じゃ、ボクのおっぱいフルコース、い~っぱいご馳走してあげる~~♪」

「……や、やめろッ!……うああっ!」
 おっぱいの締め付けが強くなった。
 急激に高まる快楽のせいで、俺はすぐに爆発寸前まで追い込まれ……!
 今まで高められて来た熱いものがオトコ自身に沸き上がってくる……!
 股間の神経が沸騰しそうだ……!

「ほぉらほぉら♪
 キミの大好きなおっぱいの包み上げだよぉ♥
 おっぱいだって、好きな人に食べてもらえるのが一番嬉しいんだから♪
 残さず、召し上がれ♥」

「ふ、ふわぁあ……♡」
 柔らかい双璧が、更なる甘美な拷問を加えてくる……
 まるで体が蕩けて、おっぱいの中に完全に包み込まれているかの様な温かさと、
 快楽を司る全ての神経を握られている様な強烈な快感。

 それらが一斉に俺を射精へと導いていく……!

「……もういいんだよ、全部忘れちゃお♥」

 耳元でジョルジュが優しく囁いてくる……

「ボクとずっと一緒にここでイイコトしよ? ボクがずっと側にいるから……ね?」

 甘い甘い囁きが俺の思考に染み込んでくる……
 ゆっくりと暖かく、まるでまどろみに誘い込む睡魔の様に浸透していく……

 ――もういいんじゃないか?
 彼女と――ジョルジュと一緒にずっと過ごして行くのもいいんじゃないか。
 そんな囁きが聞こえた様な気がした。直後――

「ほぉら、ボクのおっぱいに、いっぱい出・し・て♥」

 ――ちゅっ♥
 最後の亀頭へのキスが、とどめとなった。

「あああああぁぁぁぁぁッ!」
 ドビュウウゥゥッ!! ドクドクドク……ッ!! ドクンッ!
 俺のオトコは全てを一気に放出した。

「うわぁ……いっぱい出たね♥ べっとべとだぁ♥ ……えへへ……あっつぅい……♥」
 ジョルジュの顔も、胸も白く染められる。その淫靡な光景に、俺はしばらく見蕩れてしまっていた……
「これでもう、ずっと一緒だよ。キミはもう、ボクだけのもの……」

 一瞬、ジョルジュはぞくっとするような妖艶な笑みを浮かべた気がした――。
 だが、それはすぐに普段の活発な笑顔にかき消され、見えなくなる。

「じゃ、キミがこっち側の人になってくれた記念ってことで、本番行こうよっ! 本番っ! ……えへへっ。一生、愛し合おうね。ここで、ずうっと……♥」

 照れたように笑うジョルジュ。それは見慣れた少女の笑顔だった……

 確かに現実への扉は閉じられた。
 けれど、これはこれで幸せなのかもしれない。

 この娘とずっと一緒にいられるのだから……




THE END


(青字はないと・めあの設定を要約したものです)

二次創作もの ジョルジュ三度COMMENT(0)

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